四月一日   願興寺薬師祭礼


願興寺は正式には天台宗大寺山願興寺可児大寺(蟹薬師)といい、
弘仁六年(815)に最澄が布施屋(宮桟作りの堂)を建てて薬師如来の本尊を祀ったのが始まりとされる。

その後、長徳二年(996)に尼ケ池から蟹に乗って出現せられた薬師仏を胎内に納められてから、
蟹薬師と俗称するようになった。
千年以上の歴史を誇る寺院である。
本堂、宮殿は国重要文化財に指定されている。



本尊以下四天王像、日光月光像、十二神将像等実に24体もの仏像が国重要文化財(旧国宝)に指定されている。
本尊は十二年に一度の御開帳。子年の祭礼時にそのご尊顔を拝することができる。
残念ながら今年は亥年。しかし、残りの23体は拝観料を払って、宝物殿の中で見ることが可能。
当然見てきました。しかし、館内撮影厳禁。残念ながら写真はありません。


そしてこの祭礼。その始まりは長保元年(999)の創始といわれ、
毎年四月第一日曜日がその開催日となっています。
その歴史は千年を超え、無形民俗文化財に指定。
例年雨天のことが多いのですが、今年は曇り。
ちょうど桜も咲き始め中々素晴らしい状態での開催となったようです。

会長以下会員たちは場所の遠さと存在を知ったのが昨日一昨日という性急さのため欠席。私Tが行ってきました。
秘宝館欠席したからいいや。今回は勝手にやらせてもらうよ。
まあ、もろで地元ですが。ここまで徒歩5分・・・。
あんまりはっちゃける内容無いので、秘宝館レポとは似ても似つかぬ真面目さになります。


この祭り中々興味深いもので赤い頭巾に白髪白眉の面をつけ、手に杵を持った「蠅追い」が主役です。



太鼓の音にあわせ三歩づつ前進し、二度頷き、左右を向きます。
門のところにある山車から境内を進み本堂の前まで進みます。





本堂の前に来た蠅追いは手に持った杵を高く掲げ叫びます。




「ふぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜」

どっかの芸人ではありませんが・・・まさしくこう叫びます、千年前から。

「ふぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜」

次に木の葉に持ち替え再び叫びます。本堂にはたくさんの人と、たくさんのカメラ(笑)



そして蠅追いは周りに居る人の頭を手の持った葉で叩いていきます。
これは厄払いの効果があるとか。
この祭り、地元なので、毎年行ってますが・・・年を経るごとに蠅追いの叩き方が優しくなっているようです。
昔は境内中を飛び回りながらすごい勢いで叩いていたのですが・・・赤ん坊にとっては恐怖でした。
赤ん坊を狙って叩くのも居ましたし・・・。親が叩いてもらいたいので、逃げられません。





群集にまみれて叩く蠅追い、人々が殺到しています。







じぶんの正面に来たところをパチリ。この後自分も叩いてもらいました。




その後蠅追いは何処かに行ってしまったので、山車のほうに移動。
これは犬山とかよりも古い型で原型に近いとのこと。
なぜか頂点に弁慶と牛若丸が乗っています。



山車の引廻しの前。下にいるおじさんをパチリ。
掲載許可をもらったので載せます。素敵な人でした。カッコイイ。



その後山車は本堂の方へと前進(引廻し)おじさんは車輪の向きの調整役だったようです。



ここまで前進しました。



読経が始まったので本堂へ。お坊様たちを撮ってみました。
フラッシュを焚いてしまい焦りましたが、みんな焚いていたようなのでまあ、いいでしょう。



で、本堂。さすがに国重要文化財とあって古いのなんの。
裏手の伽藍は立ち入り禁止でした。



そりゃ、床板がこんな状態ですからね・・・。昔は立ち入りできたそうですが。



暫らくして獅子登場。蠅追いが獅子を叩いたり廻したり。中々面白いです。



そして、今日のベストショット



叩いたりー



廻したりー



撫でたりー



これが獅子についた「蠅」を払っている様子だそうです。だから蠅追い。

最後に獅子が上を向いて大口を開けるところ。
これピンボケじゃありません。獅子の頭が猛烈な勢いで振り下ろされる瞬間。
だって、蠅追いはピントあってるでしょ。うまく撮れたなと思った一枚です。



この後大山(前記とは別の大きな山車)でからくり人形と餅投げがあるらしいのですが。
なんとここでカメラのバッテリーが切れた。
で、用事もあったので帰宅。とまあこんなところです。


総記
Tの地元(田舎)の祭りであり、正直あまりメジャーでもなく規模も小さいのですが、
まあ珍しい祭りなのではないでしょうか?
のほほんとした祭囃子にのってのどかな雰囲気の中行われます。
寺院内がそんなに広いものではないので、境内は混雑していますが、
町自体はいつもより人が多いな程度でしかありません。

しかし、一見の価値はあると思います。
特に宝物殿の中の仏像群。来年が丁度子年で本尊御開帳の年です。
十二年に一度。ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。


追記

こんなん見ましたが・・・すれすれでしょうか?
アウトじゃないかな〜「おさかなてんごく」などという屋台もありました。






文責T (今回はまじめですね)




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